石の引き取り。
先日、「 石の引き取りをして頂けませんか? 」
とお電話頂いていたので、とりあえず一度見に行かせて頂きます と、
今日の朝待ち合わせをして現地に見に行かせて頂いた。
お庭があったであろう場所が既に取り壊されて、ガランとしていた。
見た感じだと、残っている母屋も近々取り壊される様子。
その母屋の居間の縁側に据え付けてある沓脱石がその石。
少し前の年代に建てられた縁側のあるお宅でよく見かける、よく見かける大きさの、
よく見かける丹波鞍馬の沓脱石だった。
その旨をお家の方にお伝えして丁重にお断りした。
年配の植木屋さんの話の昔話を聞いていると、その昔はすごい時代。
奈良県から石を運んできた石屋さんが半ば押し売り的な感じで、朝早くに持ってきた石を勝手に家の前に下ろして置いていってたらしい。それが普通?にまかり通っていて、毎週石を勝手に下ろして置いて行ってたのに普通にお金を支払っていたそう。それでもそれだけの石を消化できるくらいお庭工事の仕事がめちゃめちゃ多かったとか。
そんな話を一人だけじゃなく何人もの植木屋さんから聞いたし、
そんな事もあったなー、と懐かしそうに話している様子も見た事がある。
その石材の最後に残ったほんの少しを、自分は宝の山だと言って、必要になったらそこに物色しに行って使わせて頂いているけど。
庭木で重宝された台杉だって飛ぶ様に売れた話も本当によく聞く。
前に勤めていた所やその周辺を車で走っていると今でも台杉の畑をたくさん見かける。
その時代の名残かな。
それにしても信じられない話。一体どんな時代?
今となっては昔にそんな事があったなんて微塵も感じる要素がない。
一つだけ思うのは、とても景気が良かったのだろうという事。