お客さんとの感覚のギャップ。
久御山町でのお宅で剪定のお仕事。
前まで他の植木屋さんがお庭の手入れに入られていたみたい。
今年から手入れをさせて頂く事になった。
言ってみれば選手交代。
前の植木屋さんに不満を持たれていたかどうかは知らないけど、
作業に入る前のお客さんとのお話の中で強くおっしゃっていたのは、
とにかく「サッパリして欲しい」
じゃ、サッパリして欲しいとは何なのか?
多くの植木屋さんは、
枝ぶりや庭木のそれぞれのバランスを考えて剪定している、と思う。
植木屋さんもお客さんも、どこでもいつもよく言われるのは、
去年と同じくらい。いつもと同じ様にお願いします。という言葉。
そこに両者の感覚のズレがあると思うのだ。
毎年同じ様に剪定をしているつもりでも、枝先だけでなく幹も根も
全てが成長して毎年大きくなっている。
毎年同じ様に剪定しているつもりでも、実質は大きくなっているのだ。
大きくなってしまっているのだ。
そして庭木の全てが大きくなり過ぎて、
お客さんに鬱陶しく感じさせてしまっているのかも知れない。
お客さんと自分達のその感覚のギャップを理解しなければならない。
一枚の葉にとらわれては木は見えない
一本の木にとらわれては森は見えない
どこにも気を留めずに見る
奥様が一番よく言われる、「もー、知らん間に大きくなってー」
が、これじゃないかな。
例えば植えたばかりの生垣や目隠しにする為の木の様に、
大きくする事を望んでらっしゃるならそうすべきだが、多くのお庭は
大きさが限られているから、庭木は努めて小さくしなければならない。
いつもと一緒。去年と一緒。は、実質大きくしてしまっている。
その意識を以てしていい位なのだ。
もちろん、切ってサッパリすれば何でもいい訳ではない。
お庭は植木屋さんの表現と自己満足の場ではない。
お庭のオーナーはお客さんであって、
自分達はお庭の管理をさせて頂いているに過ぎない。
オーナーの意向を理解し、技術と知識を使って植木の手入れをする。
ただこれだけの事だ。
お客さんであるオーナーの意向を無視して、
植木屋さんが切ってくれない、なんてもってのほかだ。
めっちゃまじめなお話。